『筒井康隆入門』:多作な作家を知るためのガイドブック

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『筒井康隆入門』:多作な作家を知るためのガイドブック

日本のスラップスティック系を代表する作家と言えば筒井康隆と永井豪をあげて差し支えないと思うけど、二人とも相当な作品数があるが故に初心者にとってどこから入ればいいのか分からない問題があったりします。筒井康隆に関して言えば、そんな問題を解決するために最近になって佐々木敦による『筒井康隆入門』が上梓されまして、初期から直近の作品までを網羅的に解説を試みた意欲作となっていました。本書のテーマというかキーワードは「筒井康隆は二人いる」ということで、正直言って読了後もその主張については若干の「?」な印象はあったものの(色々な軸に関して、両極を行き来できる人間ということだと思うけど)、なにより膨大な数になる筒井康隆の小説群を時系列にそって俯瞰的に知りたい場合はうってつけの良書だと言えます。



筒井康隆の作品を簡潔に解説+そのころに筒井康隆が傾倒していたテーマや執筆の手法などの情報もあわせて書くという、かなりの労力を要する仕事は評価されるべき本書ではありますが、著者にとって本書における一番のダイジェストというか自慢箇所(笑)はおそらく「メタからパラ」の項であって、著者が『あなたは今、この文章を読んでいる。』という文学理論書を出版した際に筒井康隆と対談し、「メタフィクション」の限界を超越した次の理論としての「パラフィクション」なるものを提唱したところ、それに呼応する形で筒井康隆が『メタパラの七・五人』(『世界はゴ冗談』に収録)というアンサー小説を短期間のうちに執筆してきたという話で、それは末裔まで自慢していい出来事だろうなと(笑)。

ちなみに筒井康隆による『三丁目が戦争です』という童話を1971年に書き下ろしていますが、この挿絵を永井豪が担当しているということを知って、かなりの接点があった事実にマジで驚愕しましたよ。スラップスティックに限らず狂気・バイオレンス・エロスといった面で、両者の作品から似た雰囲気を感じるわけですが(まあエロスは豪ちゃんの方がお盛んかな?)、実は『三丁目が戦争です』で一緒に仕事をしていたというのは感慨深いものがあります。

というわけで、『筒井康隆入門』を読んで筒井作品を読みたくなったので『日本SF傑作選1 筒井康隆』読んでます。アイディアに満ちていて実にいい感じ、自分も小説を書きたくなるような気分にさせてくれるという意味でも、やはり影響力の強い人ですね筒井康隆というのは。ちなみに永井豪は最近になってはじめて『まいるど7』読んだけど2巻収録の「ストリーキング対決」とか斜め上過ぎる発想に舌巻きましたわ。なんだあれ?(笑)ここは是非とも『永井豪入門』も佐々木氏に執筆してほしいところ。

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