『ミクロの決死圏』で思い出した1988年の記憶

たぶん株・投資クラスター界隈の人間には有名だけど謎だらけの正体不明アカウント「岡三マン」がこんなツイートを数日前にしていて、ずっと気になっていたという話。ツイート内容はこちら

『ミクロの決死圏』という1966年の映画の話なんだけど、主演女優であるラクエル・ウェルチが触手が絡まって「さあ大変!」といったサービスカットがあるとのこと。「マジか!」とにわかに色めき立つ我が部隊、しかし本当にそんなシーンがあるのだろうか?この目で確かめないことには信じることなんて出来やしない!ということで、その謎を明らかにすべく我々はgoogleの奥地へと向かった……。(隊員は筆者一人です)

そんなわけで、休日前のテンションということもあって、夜通し探してなんとか件のシーンを拝むことができたんだけど、実は英語版タイトル”Fantastic Voyage”で動画検索すれば、googleの奥地でもなんでもなく普通に1ページ目に出てくるという衝撃と共に朝日に目をしばたかせたのでした。(しかもほぼそのシーンだけという有能な動画)

で、気付いたのは、「この映画見覚えあるな」ということ。はるか昔の記憶をたどっていくと、自分の母親が「人の体の中を探検する映画、今夜やるみたいだから観たら?」と言われて、勧められるままに地上波放送を観たらしいことに思い当たったりするんだけど、記憶違いかもしれないということで、これまたググってみると、地上波でやっていた洋画劇場の放送タイトルを40年分くらい一覧で掲載しているサイトを発見して「スゲー!」と驚嘆、なんとも懐かしきgeocities。

「水曜シアター9」映画放送作品リスト

『ミクロの決死圏』で思い出した1988年の記憶

上記サイトを確認してみると、本当に『ミクロの決死圏』は記憶の頃の年代と一致する「1988年08月18日」にテレビで放送されていたことが発覚。記憶の証左が強固になったせいか過去の自分に出会い直してきたような気分になってしまい、ラクエル・ウェルチ×触手とかどうでもよくなるレベルで、感動してしまったというオチ。ただ、母親は「人の体内っていうか宇宙と変わらないじゃない」という衝撃的な言葉を残してテレビを消してしまったので、問題のシーンは当時観れていなかったということも知ったのでした。(ちなみに本作はアカデミー美術賞および視覚効果賞を受賞しているとのこと)

ラクエル・ウェルチの出演作品など


淀川長治もこの映画の解説でラクエル・ウェルチの出演について触れているんだけど『身体の線がとっても綺麗ですね、それが男の身体の体内に入っていくところが、また面白いですねぇ』と不思議なことを言ってる。まあ、それとなく言いたいことが分かるニュアンスだけど。

淀川長治 解説 “ミクロの決死圏”

他にもWikipediaの記述からも、当時肉体派女優で鳴らしたラクエル・ウェルチを起用して、しかもピッチリスーツを着せるという演出は、「分かっている」判断だったんだろうと想像できる。

次々と起こる不測の事態の克服といったサスペンス要素から、肉体派女優として一世を風靡したラクエル・ウェルチの体にぴったりと貼り付くウェットスーツを着せるといった演出まで、幅広い要素を散りばめた作品である。
Wikipedia:ミクロの決死圏


下の写真はレイ・ハリーハウゼンが特撮を手掛けた『恐竜100万年』。



ボンドガールはやってないとのこと、確かに適任な気がする。


『ミクロの決死圏』日本版のポスター各種。このクオリティーたまらなく素晴らしい。


『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』:心折れそうな経営者に観てほしい

2015年にあった大量閉店ラッシュが嘘のようにV字回復を見せている日本マクドナルドですが、低迷していた当時の2013年頃はカウンターからメニューを取っ払って顧客に混乱を招いたり、オーダーから60秒で商品を提供する試みで現場を混乱に陥れたりと、良かれと思って講じた施策がことごとく裏目に出ておりました。その陣頭指揮をとったのが後に「破壊屋・疫病神」などと揶揄されることになった元社長の原田泳幸氏、そしてとどめの中国産食肉偽装の件も重なりマックは滅びるのかもしれないなんて思ってました。

そんなガタガタの状態の日本マクドナルドを建て直したのが新社長サラ・カサノバ氏で、原田時代の膿を出しきったということになるんでしょうか。2018年現在、株価も上場来高値を更新していたりして、世間的にも日本マクドナルドは復活し始めて再評価されつつあるという印象であります。
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『GANTZ:O』:原作ファンも(たぶん)文句なしのクオリティー

奥浩哉の大ヒット漫画『GANTZ』の中でも一番人気の高いと思われるエピソードである「大阪編」をフルCG化した本作。2011年の嵐・二宮和也が出演した実写映画版よりも原作に忠実な作りで、かつキャラクター造形の再現度が素晴らしく高かったです、それだけで観る価値ありと言える作品です。2016年10月に劇場公開されていたらしいのだけど、ビデオスルー作品かと思うほど当時の記憶がないわけですが、このクオリティーを知ってたら映画館で観たかったなぁと。ちなみにベネチア映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門に出品されたときは、上映後に5分間スタンディングオベーションが起こったそうな。
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『フライト』:アルコール依存症の機長のウソと転向

飛行機パニックモノと言えば日本だと『ハッピーフライト』といったコミカル仕立ての名作がありますけど、本作は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『フォレスト・ガンプ』で有名なロバート・ゼメキス監督による飛行機パニックもの……、かと思って鑑賞していたら実際に飛行機がフライトするのは映画の冒頭だけで、それ以降はヒューマン・ドラマ仕立×法廷(公聴会)モノな作品でした。でも初っ端の飛行シーンはかなり緊迫感のある航空事故回避シーン+胴体着陸で、パニック・アクション系の飛行機作品にはない日航ジャンボ機墜落事故の「これはだめかもわからんね」を思わせる絶望感があって力の入った作りになってます。ブラックボックスに「愛してる」の言葉を残せといった演出などね。(日航機の墜落はフィクションと引き合いに出して語ってはいけない類の事故であるかもしれないけど)



『フライト』 デンゼル・ワシントン 映画 感想、批評 Flight-movie-2012墜落して搭乗員の全滅を免れないと思われた飛行機事故を6人の死者を出すだけで済ませたウィトカー機長(デンゼル・ワシントン)が逆にヒーローとして連日マスコミに祭り上げられるようになるものの、実はアルコール依存症でフライト中も飲んでいたという事実が徐々に不都合な真実として彼を追い詰めることに。安全委員会に睨まれたウィトカー機長と航空会社は、弁護士ラング(ドン・チードル)をたてて事故後に行われた血液検査で出てしまったアルコールとコカイン摂取を示す検査報告書のもみ消しといった隠蔽工作をした上で公聴会に臨むことに(嘘ついたら偽証罪に問われる場でありますけどね)。しかしながら、そのような状況にあってもアルコールに依存している彼がそう簡単に断酒することができるはずもなくといった展開。


『フライト』 デンゼル・ワシントン 映画 感想、批評 Flight-movie-2012墜落事故後に入院先で知り合ったドラッグ&アルコールの依存で悩む女性のニコール(ケリー・ライリー)と恋に落ち、彼女の勧めでアルコール依存症者のための集団セラピーを受けたりするけど、ウィトカー機長は依存していることを自ら認めることすらできない始末。この辺は吾妻ひでおの『失踪日記2 アル中病棟』読んでみると、リアリティーというか辛さが分かるけど、本作のウィトカー機長も酒とドラッグを断つことができず、前妻ともそれが原因で離婚、せっかく恋仲になった新しいガールフレンドのニコールも彼の元を去ることに。

『フライト』 デンゼル・ワシントン 映画 感想、批評 Flight-movie-2012この辺からはネタバレになるけど、全編通して神の意志には逆らえないといった挿話が幾つか出てきて、最後の公聴会でも神の意志に抗うことはできずにといった結末を迎えます、要するにフライト中の飲酒を認めると。酒に関して周囲に嘘をつき自分もだまし続けてきたし、公聴会でもその嘘を貫き通すつもりでいたと思われるウィトカー機長だけど、弁護士による隠蔽工作の結果なのか機内で酒を飲んでいたのはCAのトリーナ(ナディーン・ヴェラスケス)ということになっていて、その嘘を肯定することは良心の呵責を感じたということなんでしょう。このトリーナって作品のド頭で機長とベッドインしていたCAですね(観直したから気づいたけど、これに気が付かないと彼の転向の説得力がなくなっちゃうな、笑)。恋人に罪を擦り付けるという嘘をつくことは神の前ではできなかったわけですね、これも事故後に知り合ったニコールとの出会いと別れがあったことで、やっと自分のことを素直に見つめられるようになった賜物ともいえるのかな。

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フライト(2012)
FLIGHT
監督:ロバート・ゼメキス
出演:デンゼル・ワシントン、ドン・チードル、ケリー・ライリー、ジョン・グッドマン、ブルース・グリーンウッド、メリッサ・レオ、ブライアン・ジェラティ、タマラ・チュニー、ナディーン・ヴェラスケス、ジェームズ・バッジ・デール、ガーセル・ボヴェイ
上映時間:138分
製作国:アメリカ
公開情報:劇場公開(パラマウント)
初公開年月:2013/03/01
ジャンル:ドラマ/ミステリー/サスペンス
映倫:PG12
彼は英雄(ヒーロー)か犯罪者か

『キョンシー』:キョンシーの不在・パケ写詐欺

自分より2,3歳年上の世代がファミコンとかビックリマン、それにこのキョンシーなんかモロに直撃した世代だと思うけれど、自分も幼稚園から小1ぐらいのときにかろうじて『幽幻道士』は見てました。主人公のテンテンが可愛いとかそういう感覚はまだ無かったけど、とにかくチビッコたちの間でもブームでキョンシーごっこして友達に首絞められた思い出とか、池袋サンシャインだったかでやっていたキョンシーが追ってくるお化け屋敷イベントみたいなところの物販ブースで購入した霊符と木剣も持ってた記憶があるし……、とにかくそれぐらい流行ってたと。

最近では川島海荷主演の『キョンシーガール』とかも放送されてたので、またキョンシー・ブーム来るの?という流れがここ数年あったものの起爆剤にはならずブーム作りも不発だったなあ……、と思い返しつつアマゾン・プライムで再鑑賞した本作となります。


そもそもキョンシーってなんなの、吸血鬼×ゾンビみたいなもの?ということで、wikipedia見てみると下記のような記述があります。

  • もともと中国においては、人が死んで埋葬する前に室内に安置しておくと、夜になって突然動きだし、人を驚かすことがあると昔から言われていた。それが僵尸(殭屍)(キョンシー)である。「僵」という漢字は死体(=尸)が硬直すると言う意味で、動いても、人に知られたり、何かの拍子ですぐまた元のように体がこわばることから名付けられた。

  • 中国湖南省西部よりの出稼ぎ人の遺体を道士が故郷へ搬送する手段として、呪術で歩かせたのが始まりという伝承があり、この方法を「趕屍(かんし)」と称する。



『キョンシー』:キョンシー不在の清水崇が戦犯の映画という感じで火葬しない文化圏からは、やはりゾンビ的な怪物が生まれやすいのだろうと理解したところで本作について。各所で言われている通り、キョンシーがほとんど出てこない残念な作りとなっていて、懐かしさに釣られて本作を手に取った人からするとけっこう肩透かしを食うと思うし、せっかく出てきたキョンシーすらも……ッ!という往年のキョンシー・ファンからすると噴飯ものな作りでありました。映像も綺麗だし(団地ものでもあるので個人的には嬉しい)、アクションや戦闘シーンそれにグロ過ぎない調整具合など色々なバランスが良い感じの仕上がりなのに、脚本が冗長かつ難解で肝心かなめのキョンシーは不在という大きな欠陥構造を抱えています。

『キョンシー』:キョンシー不在の清水崇が戦犯の映画「なんだこりゃ?」ということでクレジットを見てみると清水崇の名が。『呪怨』などで有名な監督だけど、今作の戦犯はこの人なんじゃないかと思っております。こちとらキョンシー期待してるのに、呪怨に出てきそうな双子の女幽霊と例のアルビノっぽい真っ白い少年といったお決まりのキャラクター、これは絶対この人によるジャパニーズ・ホラー方面の圧力があったでしょ?というか最初からキョンシー×ジャパニーズ・ホラーっていうタイアップが基本コンセプトにあったんだけど、うまくいかなかったんじゃないかと推測、だから宣伝も「キョンシー」だけを売り出す形になったのではないかと。

『キョンシー』:キョンシー不在の清水崇が戦犯の映画元気過ぎる双子幽霊がキョンシーに取り憑いたせいで膝を曲げずに跳ねるキョンシー独特のあの動きがなくなり、壁とか天井を縦横無尽に飛び回り始めるって、おまえはスパイダーマンかよ!?と突っ込みたくなるほどの見事なコンテンツ殺し。キョンシーとか全く興味ないし愛もないし、そもそも知らないんじゃないの?と書きたくなるレベル、そして書くほど怒りがこみ上げてくるんだけど、最後は物語を創作するうえで禁じ手とされる夢オチ、一体どうしたのでしょうか?夢オチにする必然もよくわからないし、そもそもあまりに唐突で意味不明な終わり方で夢オチであることもすぐには理解できず、『キョンシー 解説』でネット検索してしまった……。舞台や映像のクオリティーは高いのに夢オチ脚本とキョンシーが出てこないせいで、AVのパッケージ詐欺みたいな作品という評価になってしまったね。(本作のパケ写のキョンシーのクオリティー見たらそりゃ高まるよね)

【おまけ】
『霊幻道士』4作目の主役を演じたときのアンソニー・チェン(陳友)、なんかイケメンではないけどカッコいい。
『キョンシー』:キョンシー不在の清水崇が戦犯の映画 『キョンシー』:キョンシー不在の清水崇が戦犯の映画

キョンシー<未>(2013)

RIGOR MORTIS
リゴル・モルティス/死後硬直(第26回東京国際映画祭)
監督:ジュノ・マック
制作:清水崇
出演:チン・シュウホウ、クララ・ウェイ、パウ・ヘイチン、アンソニー・チェン
上映時間:101分
製作国:香港
ジャンル:ホラー/ファンタジー
映倫:R15+

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『her/世界でひとつの彼女』:キモイ男、そして浮気しまくるOS

例によってアマゾン・プライムで視聴可能な作品なんだけれど、公開期間の終了が間近に迫ってる作品としてプッシュされているのを知り、「観れなくなると言われると観ないのがおしい気がしてくる」というMOTTAINAI精神に押されて久しぶりに鑑賞し直してみたら、初めて観たときとは違う感想になったことに驚いた、というかこの主人公が想像以上に優柔不断なカマ野郎で反吐が出るといった具合で、そう感じるのは自分が初見時よりも社会的・人間的に一回りも二回りも成長して大人になってしまったからかもしれない……、という謎の感慨に耽ってしまい、まったくもって自己陶酔乙な感じなのですが、とにかく評判の良い『her』について。

her/世界でひとつの彼女 映画レビュー感想 キモイ男と浮気OS光の速さでネタバレしますと、自分だけの恋人になってくれると思っていた人工知能を搭載したOSが、実は浮気をしまくっていて、しかも「何人と恋人関係なわけ?」と半ベソ状態で追及してみると、スペックが高いもんだから600股とかそういう人智を超えた数値を無慈悲にも突き付けてくるわけです。そこがクライマックスにして最大のインパクトを誇るシークエンスとなる本作でありますが、その衝撃的過ぎる浮気人数にすべてを持っていかれてしまい、恐らく主人公以上に呆然とすることになる鑑賞者は、困惑の渦に突き落とされてしまい、それ以後の作品の展開がどうも頭に入ってこないというジレンマも抱えている作りとなっています。

her/世界でひとつの彼女 映画レビュー感想 キモイ男と浮気OSで、今回は2回目の鑑賞だったので、浮気がバレて集団逃亡したOSたちの後に残された主人公の取った行動までつぶさに観察するだけの余裕があったわけですが、なんとこの男は離婚が成立したばかりの元嫁に対して女々しくも、「今までありがとう」メールを書くわけですね。彼の仕事が手紙代筆業なので、「OSとの疑似恋愛の終焉」・「顧客のための代筆ではなく本心として元妻に手紙を書く」という、これ以上ないくらいに主人公が人間性を回復したことを示唆する構成となっていて、脚本的には素晴らしいの一言なんですが、そういったテクニカルな部分を無視してひたすら感情的に主人公の人格否定的なことを書かせてもらうことが許されるなら、こんな思春期の乙女よろしく色々なことを逡巡して結論を先送りするような無責任男とはまあ関わりたくないわな~というのが率直なところ。元嫁の幻影を振り払うために久しぶりにデートした女性から言われることになる「キモイ男」という評価がかなりしっくり来ました。

ちなみに人工知能搭載のOSであるサマンサは声だけの演出となっていまして、原作ではスカーレット・ヨハンソン、そして吹き替え版では、なんと林原めぐみさんが担当しており、声優に疎い自分でも「綾波~」となりました。ということで、キモイとか言いたくなるほど感情移入してしまうほどに良作となっております、でも自分も傷心してたり辛いときに観たら主人公に共感しそうな気もするな~(笑)。(ちなみにこの作品でジョーンズ監督は2014年のアカデミー賞脚本賞を受賞している模様)

her/世界でひとつの彼女(2013)
HER
監督:スパイク・ジョーンズ
出演:ホアキン・フェニックス、エイミー・アダムス、ルーニー・マーラ、オリヴィア・ワイルド、クリス・プラット、マット・レッシャー、ポーシャ・ダブルデイ、スカーレット・ヨハンソン(声)
上映時間 126分
製作国:アメリカ
公開情報:劇場公開(アスミック・エース)
初公開年月:2014/06/28
ジャンル:ロマンス/SF/コメディ
映倫:PG12
人生にときめく、AI(人工知能)。
声だけの君と出会って、世界が輝いた。

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『ゾンビワールドへようこそ』:ボーイスカウト3人組の友情を取り戻せ

ゾンビーワールドへようこそ<未>(2015)
SCOUTS GUIDE TO THE ZOMBIE APOCALYPSE
監督:クリストファー・ランドン
出演:タイ・シェリダン、ローガン・ミラー、ジョーイ・モーガン、セーラ・デュモント、デヴィッド・ケックナー
上映時間:93分
製作国:アメリカ
公開情報:劇場未公開
ジャンル:ホラー/コメディ

真面目なゾンビ映画に食傷気味という方にお勧めなのが本作。さえないボーイスカウトの3人組がゾンビに立ち向かっていくという「ゴーストバスターズ」的というか「ズッコケ三人組」なノリの作品となっております。

『ゾンビワールドへようこそ』 金髪おっぱい映画 レビュー 感想ボーイスカウトって、否定するわけではないけど「どことなくダサい」という感覚は万国共通らしいですね(失敬)。主人公たち3人も小さいころは仲良くこなしていたスカウト活動ですが、高校2年生ともなると女の子やエッチなことで頭はイッパイになってしまうのは仕方のないこと。いかにカノジョを作って童貞を捨てるかということが人生における最優先事項であって、サバイバル術を高めるべく山でテントを張って呑気にキャンピングするなんて狂気の沙汰としか思えなくなってくるわけです。そんなわけで、ボーイスカウトで培った絆は永遠かと思われた3人の少年たちでしたが、おデブの真性スカウト・バカっぽい少年をハブる形で、真夜中に開催される秘密のパーティーにキャンプ途中で抜け出して行こうぜ!という裏切りから始まる彼らのゾンビを交えたドタバタ劇場の幕開け~、果たして少年たちはゾンビワールドをサバイブできるのか?さらに亀裂の入ってしまった彼らの友情の行方は!?そんな感じとなっております。

『ゾンビワールドへようこそ』 金髪おっぱい映画 レビュー 感想というわけで軽快でテンポ良くゾンビワールドが展開していきますが、良いスパイスになっているのが3人組と同じ高校を数年前にドロップアウトしてストリッパーになったという少女の存在。彼女が素晴らしいおっぱい要員としてほぼ全編通して3人組と道中を共にしてくれるので、ほのかに香るフレグランスならぬエロスとして色香をずっと漂わせてくれています。『ゾンビワールドへようこそ』 金髪おっぱい映画 レビュー 感想通常は死亡要員にされやすいアホでバカな金髪おっぱいという存在・立場でありながら、最後まで死なずにプルンプルンとゾンビワールドを駆け抜けてくれたこと、そしてそのような脚本を採用してくれたことに対して惜しみない拍手を送りたいと思います(笑)。あと巨乳な女警官ゾンビも本作におけるハイライトのひとつ。

ボーイスカウト流の高い声でのやり取りとか、隊長であるオッサンがゾンビになっても妙に強いとか、脱力感のある笑いを誘う感じの作りが好印象。というか隊長が火責めにあったり車で跳ね飛ばされたり、拷問仕立てな感じがけっこうジワリました。クライマックスは閃光のチラつきがきつくてポケモンショックかと思うほどだったけど、まあ低予算だろうからその辺はご愛敬ということで。

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『ワールド・ウォー・Z』:人工知能によって人間のように動くゾンビたち

ワールド・ウォー Z(2013)
WORLD WAR Z
監督:マーク・フォースター
上映時間:116分
製作国:アメリカ
公開情報:劇場公開(東宝東和)
初公開年月:2013/08/10
ジャンル:アクション/パニック/サスペンス
映倫:G
全人類に告ぐ、来たるZデーに備えよ。

「ゾンビ」と言えば逃げるもよし・殺すもよしと理屈抜きに都合よく使える悪役・モンスターであって、その汎用性の高さゆえに映画・漫画・ドラマ・ゲームとあらゆるコンテンツで重宝される存在となって久しいわけですが、その中から良質な「ゾンビもの」を発掘しなおすという趣で、今回は2013年のブラッド・ピット主演『ワールド・ウォー・Z』を観直してみました。(アマゾン・プライムのお勧めに出てきたのでピックアップしただけという事実は内緒だよ!)

目的意識のあるゾンビ映画


ゾンビ映画と言えば、パンデミック的なゾンビの増殖を迎えたディストピア世界を主人公たちがなんとか生き抜く、という基本コンセプトがあるかと思いますが、ゾンビの襲撃に耐えてサバイブすることだけに終始してしまう作品が多い中、こちらの『ワールド・ウォー・Z』は、主人公がしっかりとゾンビから世界を救う方法を模索するという使命感のある骨太な脚本となっております。

さすがはブラピ主演のハリウッド超大作、おバカな学生やらブロンドおっぱいちゃんがただただ逃げ惑って襲われるだけのB級ゾンビ映画とは一線を画す作りであるのは事実です。元国連捜査官の肩書のもと世界中を飛び回ってゾンビの襲撃に耐え抜きながら解決の糸口を探していくという、超多忙で有能なエージェントといったスケールの大きさがあります。これまたブラピ出演の『バベル』という色々な国の人々のストーリーが、一つの事件を中心に交差する世界規模な映画がその昔あったんですが、あのテイストをなんか思い出すというか彷彿とさせられました(というか『バベル』自体は受賞歴が華々しい割に微妙な出来だったと記憶しているので、この映画との関係性を強調したいわけではないですが……、とにかく世界規模感が強いなという話)

色々あった末にイギリスのWHO機関に到着する終盤からのエンディングは、ラッキーパンチ的でご都合主義な演出もいろいろとある気もしますが、その辺は目をつぶっておけば2本立てのような展開で飽きさせない濃密さと共にゾンビ壊滅へ向けた道筋が微かに見えての幕引きで、なかなか説得力がある終わり方を迎えます。


走るゾンビ・AIで作れらたゾンビ


ワールド・ウォー・Z 映画批評 AIによって描かれたゾンビたち

猛スピードで走り迫ってくるゾンビというのも『28日後…』が初出かな?、とにかくその後『REC』とかも出てきて、今更珍しくもなんともなくなってしまったわけですが、この作品もひたすら走るゾンビが出てきます、しかしながらその量が半端ないです。「さすがブラピ主演の作品、予算がケタ違いだからエキストラの両もケタ違いに多いんだろうな」なんて初めて観た当時は思ってましたが、少しネットで調べてみたら実はAIを用いた(ゾンビを描くうえで人工知能が一部利用されているそう、詳細は下記の記事)CGだそうで、エルサレムでの人間の塔みたいなのとは言わずもがな、あらゆる場面のゾンビ群衆が実はCGだった!というのはけっこう驚きでした。


https://wired.jp/2013/07/15/wwz-digital-zombies/


なんかこのゾンビの群れの走り方に既視感というか、見覚えがあるなと思ったけど、2016年のE3で発表されたPS4用ゲーム「Days Gone」のデモ動画のゾンビたちに似てたという。2013年時点ではまだ映画のCGだったのに、3年後にはゲームとして遊べるようになっているとは驚くべき技術の進歩(ちなみに同じ技術が使われているのかどうかは知りませんが)



まとめ


本来は低予算映画の強い味方であった「ゾンビ」ではあったと思いますが、『ワールド・ウォー・Z』はハリウッドがガチで作った「B級を超えてしまったゾンビもの」として記憶されることになる作品だと思います。

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『死霊館 エンフィールド事件』:実際にイギリスであった心霊現象事件のお話

評価:★★★☆
一言:ドラマパートが作り込まれていて見応えあり

死霊館 エンフィールド事件(2016)
THE CONJURING 2
監督:ジェームズ・ワン
上映時間:134分
製作国:アメリカ
公開情報:劇場公開(ワーナー)
初公開年月:2016/07/09
ジャンル:ホラー
映倫:PG12
その日、世界は初めて心霊現象(ポルターガイスト)を信じた――
1977年英国、人々がその“存在”を認めざるを得なかった、戦慄の実話。


『死霊館』そのスピンオフ作品『アナベル 死霊館の人形』の続編、通し番号的には『死霊館2』となる作品である本作であります。

前作同様に、実在した超常現象研究家であったエド&ロレイン・ウォーレン夫妻をモデルとした主人公に配して、これまた実際にあった心霊現象事件として名高い“エンフィールド事件”を今回は扱っています。

呪われた人形のアナベルもいい加減不気味でしたけど、今回もシスター姿の悪魔がパンチ効いてて、忘れ難いインパクトある出来です。

見所としては、エドが「夢で見たんだ」とかいってシスターのおっかない絵をキャンバスに描くという謎のストレス解消法をあみ出しますが、そのせいで妻のロレインがキャンバスから飛び出てきたシスターに襲われてしまうという、貞子顔負けの飛び出し芸に付き合わされる羽目に(笑)、このシーンは怖くてなかなかの仕上がりでした。

死霊館 エンフィールド事件 映画レビュー

死霊館 エンフィールド事件 映画レビュー


イギリスのエンフィールドを舞台に、ホジソン一家を襲う心霊現象という内容なわけですが、全体的にドラマパートがしっかりしていてイギリスを舞台にしてることもあって「ハリー・ポッター?」と見間違うぐらい街の雰囲気が似てますね。

B級ホラー映画にありがちな、事態を悪化させる方向のみに動くおバカキャラもなく、子供たちの演技もなかなか良いですが、呪われている家そのものから出ていくという選択肢はなかったのだろうか、と思わないわけでもなかったです(ド貧乏設定なので、引っ越しは無理ということかも)。

最後は、いつものようにエドが戦利品を蒐集部屋に収めるという悪癖を披露しての終幕となります。

死霊館 エンフィールド事件 映画レビュー

ちなみに憑かれてしまうマディソン・ウルフちゃん、なかなか可愛かったですね。

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