ウェス・クレイヴン監督『スクリーム4』:メタ化して過去を超克

スクリーム4: ネクスト・ジェネレーション

 2000年の『スクリーム3』で完結したはずの本シリーズが不死鳥のごとく復活!……たぶん高校生のころに全部観てるんだけど、まったく内容を覚えてないことがこの作品のスゴイところ。でも、作中でなんらかのフォローがあるだろうから大丈夫だろとタカをくくってたら、過去の事件が公然の秘密的な扱いで、鑑賞者も知ってて当然的な奢りが……、これもスゴイぜ!さすが一大ムーブメントを起こしたホラーだけあって、そこらの二流映画と一緒にしてもらっちゃ困るというプライドがどことなく漂います。まぁ結局は皆殺し映画なのでシリーズ未見でも十分楽しめる作りにはなってます。簡単な話、過去の事件に巻き込まれた主人公が、それを題材として扱った本を執筆しベストセラー作家となって街に戻ってきたことで、悲劇が再び始まるという内容。


 『スクリーム4』まで観るヤツは、「ホラーオタク」に違いないという制作陣の予想に基づいた作りなのか、やたら実存するホラー映画への言及が多い作品で、『スクリーム』自体も『STAB』と名前を変えて引用される念の入りよう。ホラー映画サークルにホラー映画パーティーそしてホラーオタクな登場人物たちといった布陣で、ちょっとメタ・フィクション的な作りへ導いてます(もしかして、このシリーズ全部そいういう作りだっけ……、ちょっと曖昧)。

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 そして本作としての課題は恐らく「過去の超克」みたいな話で観衆をいかに裏切るかにあるのだと思われます(そりゃ、4作目だからね)。「前作の主人公は死なない」、「ホモは殺されない」なんて法則、僕はホラーオタクじゃないので知りませんけど、そういったことを作中人物に語らせることで、鑑賞者の予想を攪乱しちゃうぞ大作戦!で臨んできます。しかも「『すぐ戻る』、もヤバいんだな」みたいなフラグを折るという高等な技も炸裂!(というか、フラグ的な概念が万国共通になりつつある事実が面白かったり)でも収束する箇所は決まって皆殺しだぜ!というのが正しいホラーの姿であり宿命でもあるのです、キリッ!ということで、いったい誰が犯人なのか?そして今回は誰が助かるのか?をぜひご自分で確かめてみたてください。

 それにしても作中で『ショーン・オブ・ザ・デッド』流し過ぎじゃない?よっぽど好きなんだろうね(笑)。

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映画『スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション』予告編



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スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション(2011)
SCREAM 4
監督: ウェス・クレイヴン
上映時間 111分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(アスミック・エース)
初公開年月 2011/10/29
ジャンル ホラー
映倫 R15+


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