ジェイソン・アイズナー監督『ホーボー・ウィズ・ショットガン』:養殖B級映画の味

ホーボー・ウィズ・ショットガン Hobo with a Shotgun

 B級映画・エクスプロイテーション・ムービーを2,3本立てで流していた「グラインドハウス」と呼ばれるアメリカの映画館のノリを再現した、タランティーノ監督とロドリゲス監督の二本立て映画『グラインドハウス』。そのプロモーション企画としてフェイク予告編コンテストがあって、そこで栄えある優勝を掴んだことで誕生した長編映画がこの『ホーボー・ウィズ・ショットガン』。おっぱい出てこないけど、鮮血の切株映画ということで国内の最上級レイティングであるR18+の栄光までも掴んでおります。そういえば、珍しく子殺し映画でもある。


『グラインドハウス』自体は、『プラネット・テラー in グラインドハウス』、『デス・プルーフ in グラインドハウス』の二本が本編で、残り5本は予告のみで本編が実在しないフェイクのはずだったものの、『マチェーテ』を皮切りに今回の『ホーボー~』もという感じで、残りの作品もすべて長編化されそうな予感となってきてます。ロブ・ゾンビ監督の『ナチ親衛隊の狼女』猛烈に観たいなぁ。『感謝祭』のおっぱいもイイ感じ、早くおっぱい観たい!早くおっぱいになりたい!(笑)

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 で、本作なんだけれど、なんというかコントロールされた予定調和的なB級映画で、狙ってないのにウケてしまう失笑・失態演出とかそういうホンマモンのボロが逆に乏しい感じ。養殖B級映画ってことで、何か天然モノとは違くない?みたいな変な感覚があるような無いような……、そんな曖昧な後味。あとB級らしからぬことに異様にしっかりした脚本と作りで(むしろB級謳ってるからそう思えてしまうのかな?)、グロシーンを除くと疑似ドキュメンタリーの『レスラー』っぽいちょっとした社会派な香りすら漂うシーンもチラホラ。ホーボーが熊の知られざる生体話を披露する場面とかは、役者の顔つきも相まって狩猟好きのヘミングウェイを映画化したようなインテリジェンス溢れる高級な古めかしさ、……でも悪役の乗る車はデロリアンっていうギャップね。時代考証っていうのとはちょっと違うけど、なんかデロリアン→バックトゥーザフューチャーの流れを考えると、B級チョイスでは無いだろうと。

 そんな感じで案外ディスり気味な記事になってしまったけど、クオリティーは保障できる作りだし、だからこそ批評したい箇所も増えてくるという話で、あえて生暖かい眼差しを向けてあげる必要はない作品でした。というか早い話が「グラインドハウス」の名を借りてしまったことが少しもったいなかったかもしれない、なんだかB級の括り方が「逃げ道」とかエクスキューズに思えちゃうというね(でも、それが無かったら映画化されてなかったのかもしれないけど)。やっぱ結果としてB級であるから楽しいのかも。あとアイズナー監督はシリアス路線の作品もうまかったりするんじゃないかな。

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フェイク予告編集<R指定>ホラーもの苦手な方は見ないでね!



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ホーボー・ウィズ・ショットガン(2011)
HOBO WITH A SHOTGUN
監督: ジェイソン・アイズナー
上映時間 86分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ショウゲート)
初公開年月 2011/11/26
ジャンル アクション/サスペンス
映倫 R18+


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