『片腕マシンガール』や『ロボゲイシャ』の井口監督による「見たことのないゾンビを作ってほしい」という依頼のもとに撮られた作品。女子高生×ゾンビの親和性というかアクション全般での高い融合性は、闘うたびにスカートがめくれてパンチラする+α要素のおかげでほぼジャンル的に確立された安定感があると思われるけど、今回はそこにスカトロ的なグロ要素も加わってチャレンジングな作品に仕上がっています。ウン・デッドたちの飛び散るウンコの血潮、寄生虫「ネクロゲドロ」が宿主のケツの穴をぶち破って触手化するシーンなど、井口ワールド100%と本人が語るエロ・グロ・ナンセンス作品。
【ストーリー】
妹の死から立ち直れずにいる女子高生の恵(中村有沙)は、先輩の亜矢(菅野麻由)に誘われ、真希(護あさな)、タケ(岸健太朗)、直井(ダニー)とキャンプへ出かけることに。すると旅先の山中で彼らの前に奇声を上げる不気味な男が登場。危険を感じた5人は急いで近くの村に逃げ込むが、なんとそこにはパラサイト(寄生虫)に寄生されたウ○チまみれのゾンビ“ウン・デッド”たちが!次々襲いかかって来るウン・デッド相手に果たして生きて帰ることはできるのか!?
脚本自体はナンセンス枠ということで、何がぶち込まれてもOKなんだけど、迫力という意味ではちょっと物足りなさが残りました。というのも井口監督はロメロよりもルチオ・フルチ派という話なので、それならイタリアン・ゴア的な色味の毒々しさをもっと押し出して欲しかったという話。ウンコの色が綺麗過ぎるよ……、っておかしなこと言ってるけど。
それと、DVDに収録されている女優陣のインタビューで脱ぎシーンの体当たり演技などを自画自賛していて、彼女たちも確かに頑張っていたとは思うんだけど(演技力も高いし)、「エロ」が売り文句なら最初からもっと大胆に脱げる女優さんを用意しておいて欲しかったなと。中村有沙さん(子役の頃に井口監督の『楳図かずお恐怖劇場 まだらの少女』に出演してもらっているので親心を抱いてしまうらしい)のJKパンチラ・アクションと後半の乳首ずっとポロリ状態なんかは闘ってましたけど、その他の女優さんたち、とくに護あさなさんとかはお尻丸出しまでしたなら、その巨乳も晒して無駄に走り回るとかそういった上半身での頑張りも見せて欲しかったです。
世界観の意味不明な感じはかなり良いと思うのだけれど、イタリアン・ゴアと比べると、どこか女優陣を気遣ったセーフ・モードでの撮影になってしまっている部分があるように感じました。でも、この寸止め感も日本的で良かったりはするけどね。
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ゾンビアス(2011)
ZOMBIE ASS: TOILET OF THE DEAD
監督: 井口昇
上映時間 84分
製作国 日本
公開情報 劇場公開(日活)
初公開年月 2012/02/25
ジャンル コメディ/ホラー
映倫 R15+