『ハイスコアガール』7巻:ファイティングバイパーズの懐かしさと、渋谷で交差する恋路

例の著作権侵害問題・刑事告訴事件で休載していた押切蓮介氏の『ハイスコアガール』ですが、新作が出たということで「ついに復活!」と思ったら既に去年2016年に復活されていて6巻も出版されていたんですね……、この記事書くまで7巻で「見事にカムバックしてくれた!」って一人で盛り上がってたのと、6巻を読み飛ばしていることに気が付かずに読んでました。うっかりしていたよ。それにしても押切先生、2017年1月時点で『ハイスコアガール』以外にも漫画アクションで『ぎゃんぷりん』、月間モーニングtwoで『狭い世界のアイデンティティー』の連載、さらにヤングチャンピオン烈では初の漫画原作として『妖怪マッサージ』を開始するなど、すごい精力的というか売れっ子になられておりますな、良いことだ~。

ということで、うっかり勘違いしていたついでに事件の概要も書いておくと、『ハイスコアガール』は2013年12月にアニメ化の話が持ち上がってたものの、その下請けとなった映像制作会社がSNKにキャラクターのことで問い合わせてみたところ、無断で漫画に同社のキャラクターが使用されていることが発覚、2014年5月にSNKプレイモアが『ハイスコアガール』の版元であるスクウェア・エニックスを刑事告訴、その後同年10月になると今度はスクウェア・エニックス側が無断で使用していないという確認のため民事訴訟を起こし、さらにSNKプレイモア側がそれに対して反訴するという泥沼の展開が2年間ぐらい続いていました。2015年8月には両社とも和解に応じたとのことで、翌年2016年に復活後初の新刊となる6巻と1~5巻が回収されていたのでリニューアル版として『ハイスコアガール CONTINUE』の1~5巻が発売されたということです、ふ~。

なんか事件のあらまし書いて満足というか疲れてしまったけど、今回の7巻に関しては6巻を読み飛ばしているのに違和感なく楽しめてしまったという……。まあ、いつものようにハルオ・晶・小春の恋の三角関係は健在でヤキモキさせられつつ、今回は「溝の口ゲーセン勢VS渋谷ゲーセン勢」の戦いが勃発します。紆余曲折あってハルオは渋谷側として若干チャラくなっての参戦で、小春と『ファイティングバイパーズ』で対戦するという展開でした。ちなみに『カイザーナックル』という格ゲーもクローズアップされてて、ジェネラルなるボスが強キャラ過ぎることが、これでもかというほど作中で強調されてるんだけど、YouTubeで調べてみたらマジでしたわ、こりゃ勝てねえ~(笑)。未だに高田馬場のゲーセンのイベントでジェネラル組手なるものまで行われているようです。



ハイスコアガール7巻 ファイティングバイパーズそれとゲーセン抗争の決着で選ばれた格ゲーの『ファイティングバイパーズ』だけど、あったわ~そういう格ゲー、懐かし過ぎるな~と思って画像検索してみたら想像以上に顔がポリゴンしててワロタよ、グラフィック技術の進化ってすごいなと再確認した次第であります。ヒロインっぽいコとかミニスカートはいててそれなりにセクシャルな恰好しているのに、まったくそそられないという(笑)。『ファイティングバイパーズ』は95年で、その翌年の96年と言えば今ではおっぱい格ゲーの代名詞ともいえる『DEAD OR ALIVE』の初代版がゲーセンで稼働し始めたころ。さすがにDOAも初代というか無印は全体的に角ばってる感が否めないけれど、その後の99年のDOA2だか2000年のDOA2Mをゲーセンで初めて見たときは、おっぱいの揺れに目が釘付けになった思い出が(笑)。高3の修学旅行先の自由行動時間に入った京都のゲーセンでのことだったと事細かに記憶しています。

今となってはDOAシリーズもVRで遊べるようになって、20年前におっぱいの揺れにこだわりを感じさせる格ゲーとして産声を上げたDOAが、まさかこんな大掛かりなエ口コンテンツに化けるとは誰も予期していなかったであろう事態になっています(笑)




あと、先日キョンシー映画を見たばかりだったので、キョンシーの霊符Tシャツらしきものを着ているモブキャラがいたのはビックリでした。やっぱり地味ながら流行りが来てるかも?



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『ハイスコアガール』4巻:「萌え」じゃなくて「胸キュン」

ハイスコアガール4巻出ましたね。レビュー記事が「はてブ」でホットエントリー入りしてたりと今まで以上の盛り上がり方みたいです。ただ「30代オーバー向けネタ満載+けっこう個性的な絵柄」で、読む人をかなり選ぶマンガだと思いますよ。僕は大好きなんだけどね、一回り年下のカノジョに勧めたら「ツマンネッ」って言われてガン萎え、、。

『ハイスコアガール』:たった1つの単語に込められた、小春のあまりにも一途な想い
https://d.hatena.ne.jp/m-kikuchi/20130627/1372353455
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『ハイスコアーガール』3巻:モラトリアムが引き伸ばされる

中学・高校生の時期を除くと、残りの人生なんてほとんど惰性で生きているだけなのかも……、と思えてくるほど『ハイスコアガール』3巻で描かれる恋の淡さは絶妙でした、なんか人生の醍醐味があの辺の時期に集約されているみたいな。あまりにハルオの青春する姿が眩くて、自分も中学生だったころの気持ちが蘇ってくるというか、ほとんど憑依されたような状態で読み終えてしばし放心。こんなに感情移入して読むことは想定されてない気もするけど(笑)。でも、思春期特有の研ぎ澄まされているんだけど、その反面とっても儚くて脆いみたいな感覚が思い出されてしまって、オッサンは今とっても感傷的な気分に浸っていますよ。ちょうど「思春期が終わったけれども壮年期が始まらない人達」とうのがホットエントリー入りしてるけど、この漫画のせいでモラトリアムが引き伸ばされそう。猶予期間なんて残っていないのにモラトリアムに縋り付こうとする症状、これを誘発する漫画。

https://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/20121229/p1

以下、ネタバレ。
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『ハイスコアガール』2巻:青春を謳歌出来なかった人へ

「2013年版『このマンガがすごい!』オトコ編で2位を獲得」、という快挙でなんとも目出度いスな。やっぱりオッサン世代の圧倒的な支持があったんだろうか、「懐ゲー+ラブコメ」の破壊力凄まじ。描かれているゲームネタがほとんど分かる世代にとってはモラトリアム指数もこの上なくハイスコアな作品であります。でも、ハルオみたいにゲーム三昧な中学時代を送っていたのは一緒であっても女子の影はなかった、という男子の方が多かったんじゃないかと思うけど(中3のときゲーセンで彼女のおっぱい揉みながらゲームに興じる神すぎる友人もいましたが……、そういうのは例外だと思われ)。そんなガキっぽくて初心だった頃の欠落した女子成分を脳内補完させてくれるのが、この漫画の良さだったりするんじゃなかと。ゲームの思い出はいっぱいあるけど、女子とは話した記憶すら無い!っていう「青春を謳歌出来なかった人」のための願望充足的な部分に全オッサンが涙するわけですな、ありがたや~。
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私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!2巻

2巻目にして若干のマンネリズムの香がしないでもないけど、そろそろ出る3巻はどうなるでしょうか。別段ディスりたいわけでもなく、純粋に面白いとも感じるんですけどね。でもまあ、過剰な期待は禁物というか一話完結モノだしクスッぐらいの笑いを求めた期待感の方が良いのかなと。ところで16話の「挽回する」(カードゲームで小学生相手にイカサマ勝利し続ける話)、最近これと似つつもガチで傷害罪な事件が報道されてワロタ、というか不謹慎だけど笑うしかない内容。

29歳男 カードゲームでトラブル、小6に擦り傷負わせる

カードゲームにアイデンティティーのすべてが担保されていた類の男なのか、それとも何らかの精神的疾患でもあるのか、はたまた、ただひたすらに幼児的で未熟なだけなのか、気になり過ぎる男の全貌は闇の中。
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花沢健吾『アイアムアヒーロー』10巻:小田さんのお漏らし

前回は「ZQN」って言葉が素晴らしいと絶賛してたけど、今回も思いっきり2chネタ満載でやっぱり素晴らしいなと、それにあのUIを見ると変な安心感がある(笑)。掲示板の書き込みでZQNに浸食されつつある全国の様子を読者に俯瞰させてしまう方法は手際がいいし臨場感もあるしで上手いよね。本来、字面だけでストーリーを描くのは漫画的に反則気味だと思うけど(反則というか、説明的になりがちで興醒める)、2ch形式だと自分が読み慣れているせいかストレスも無いし、「作者、手抜きw」という感じもしないのが面白いところ。ネット回線がつながっている限り、あの状況なら2chとかで情報収集しようとする展開自体が自然な流れってこともあるけど、スレッド再現度のクオリティが高須クリニックで読み物として楽しめてしまうわけだから、手抜きどころかむしろ手が込んでるのか。ヒッキーだからこそZQNに襲われず助かってしまって2chを見ていられるというのは、童貞ダメ男子のルサンチマンにクローズアップし続ける花沢ワールドらしい着眼点。
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花沢健吾『アイアムアヒーロー』9巻:「ZQN」表記の偉さ

 最近の漫画購入事情。『GANTZ』とコレと『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』は、新刊出たら即買いしてます。バイオレンス系のみ。いかにも中高生ぐらいの男子が好みそうなインテリ成分低めな漫画群だけど面白いから仕方ないという(笑)。残念ながら『学園黙示録~』は7巻以降、また連載がストップしてるみたいで、全巻売り払っちゃったけど。
 ちなみに花沢健吾の漫画は『タクシードライバー』っぽいことをしていた『ボーイズ・オン・ザ・ラン』をちょっと読んだことあるぐらいで、あまり詳しくはないけど凡庸な人間のリアルさにこだわっているのは伝わってきます。それで先日新刊の9巻が出て購入したので、ちょっと感想でもと思い立って書いてみたら作品の全体的なレビューとなってしまいました。

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吾妻ひでお「ポスト非リア充時代のための吾妻ひでお」:監修は菊地成孔

 オタク文化的なモノをほとんど受け付けないと公言していたような気がした菊地成孔が吾妻ひでお本を監修したということで度肝を抜かれたわけですが、この漫画家だけは?例外的な存在であるらしく曰く「吾妻ひでお原理主義」ということも度々公言していたらしい……、解説も例によって例のような文面で力作なので、どうやら「クールジャパン」の範疇で語ることを敬遠してるだけみたいで、実はしっかりと当時の漫画系サブカルを嗜んでいたのだなと知りました。

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谷川ニコ『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』:喪女に幸あれ

 病み上がりからの10連勤でフラフラなGWでしたが、時間が無いながら2冊ほど漫画を読みました、そのうちの一冊。「海外の2ちゃん的な掲示板で大人気!!」と帯にありますが、どこ?4ch?あぁ、検索したらやっぱ4chですね、ここ発祥ネタは”キメラこなた”ぐらいしか知りませんが。とにかくこの漫画、人気爆発中みたいで本屋3軒ハシゴしてやっと見つけました、しかもラスワン!ということで、光の速さで確保させて頂きました、経費で。

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