実はNTR要素満載『痴漢ドワーフ』

痴漢ドワーフ

 強烈なタイトルが秀逸ながら、巷ではZ級映画とか言われてますね、ヴィダル・ラスキ監督によるポルノ・ホラー。謎だらけの映画で、デンマークのジャック・ニコルソンことトルベンの怪演が見もの、あとはアンヌ・スパロウのエロティック・ボジー(笑)。スケスケのブラの破壊力はこの作品から学びました。それと、いま観直してみると内容的にNTR要素もあるような気がします。とにかく出演者も監督も、この作品しかデータベースに引っかからないので、この一本からすべてを読み取る以外に掘り下げる術が無い潔さ。ちなみに「ドワーフ」っていうのはこの場合は小人のことでしょう。


THE SINFUL DWARF 中原昌也の『ソドムの映画市』でこの作品が紹介されているんだけど(中原昌也自身は柳下毅一郎に教えてもらったらしい)、それがなんともスケベ心をくすぐる内容。推定24歳の姉ちゃんに子供服を無理やり着せて子役に仕立て上げて、さらに小人のトルベンがおもちゃの犬を使ってその子を誘拐するという冒頭シーン、この筋書きの尋常でない倒錯っぷりに激震を覚えました(笑)。

THE SINFUL DWARF そうやって若い女の子を誘拐しては、シャブ漬けにして強制売春をさせる悪行を、トルベンは彼のボスである女主人の経営するアパートの屋根裏で繰り返し、しかもそこに新たに越してきた若夫婦にまで手を伸ばし餌食にしてしまいます。この夫婦の片割れである売れない作家の夫が仕事を探して外出している間に、小人トルベンの悪の手にまんまと落ちてしまう若奥さん、そしてクスリを打たれ売春をさせられるという流れには、変種の強制NTRの香りもあって、今見ても新鮮なエロス構造があるとか無いとか。

ポルノ要素としては若夫婦の繰り広げる夜の営みと、隠れ売春宿化しているアパート屋根裏で繰り広げられる悪徳と言ったところ。期待高まる小人トルベンに関しては、不能なのかなんなのか、実際の行為に及ぶ場面は無くてサディスティックな変態野郎に留まるという煮え切らない役(むしろアレの替りに杖を入れるという描写は、フォークナーの『サンクチュアリ』に出てくる不能者ポパイがトウモロコシの穂軸を突っ込む描写を追随している……、ことは無いか)。

THE SINFUL DWARF 最後は、トロイにも程のある夫の通報によって駆けつけた警察に追い詰められて、あっけなく投身自殺してしまうドルベンなのでした。夫の鈍臭さってのは奥さんがNTRてしまう要素として必須なのでしょうかね、旦那が救われるためにはこれを小説として売り出すしかない!


Snow White And The 7 Happy Sadist ちなみに『ソドムの映画市』には「Snow White And The 7 Happy Sadist」という作品もポスターのみで紹介されていて、これの亜種みたいな作品がこちらで観られる、鑑賞は自己責任でお願いします。(削除済み)






 

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