『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』:心折れそうな経営者に観てほしい

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『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』:心折れそうな経営者に観てほしい

2015年にあった大量閉店ラッシュが嘘のようにV字回復を見せている日本マクドナルドですが、低迷していた当時の2013年頃はカウンターからメニューを取っ払って顧客に混乱を招いたり、オーダーから60秒で商品を提供する試みで現場を混乱に陥れたりと、良かれと思って講じた施策がことごとく裏目に出ておりました。その陣頭指揮をとったのが後に「破壊屋・疫病神」などと揶揄されることになった元社長の原田泳幸氏、そしてとどめの中国産食肉偽装の件も重なりマックは滅びるのかもしれないなんて思ってました。

そんなガタガタの状態の日本マクドナルドを建て直したのが新社長サラ・カサノバ氏で、原田時代の膿を出しきったということになるんでしょうか。2018年現在、株価も上場来高値を更新していたりして、世間的にも日本マクドナルドは復活し始めて再評価されつつあるという印象であります。


で、マクドナルドが好きなので前置き長くなりましたが、その大元であるアメリカのマクドナルド創業時の話を映画化したのが本作『ファウンダー』となります、ファウンダーは創業者とかそういう意味です。ディックとマックのマクドナルド兄弟が作ったハンバーガーショップだから屋号は『マクドナルド』、でもその名称と製造システムを最終的に買い取って大きくしたのはレイ・クロックという人物で、この映画は彼の伝記『成功はゴミ箱の中に』が原作となっています。

野心的でありながらも、しがないミルクシェイク用ミキサーのセールスマンをしていたレイが、マクドナルド兄弟の経営するハンバーガーショップにミキサーを売るために訪れた際、その店内のシステムに感心して惚れ込んでしまったことから、後にチェーン店舗数が世界第2位を誇るファストフードの雄である「マクドナルド」のすべてが始まるわけです。「教会と星条旗、そしてゴールデンアーチ(マックのロゴ)」というアメリカ文化を象徴するアイコンの一つになる、そんな野望を当初からレイはマクドナルド兄弟に語っています。

『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』:心折れそうな経営者に観てほしい

ただその時点での大いなる問題となったのは、マクドナルド兄弟が店舗数の拡大路線に対して完全に否定的なことで、逆にレイはマクドナルドを全米に店舗展開できるだけの可能性を彼らのシステムに見出していたわけで、「なんでフランチャイズ展開をしないんだ?」と詰め寄ることになりますが、兄弟は「すでに店舗展開は試みたが、人に店を任せることで品質維持に不満が生じた。だからやらない」と明確な理由と共に頑なにレイの提案を拒みます。

マクドナルドが世界規模のファストフード店になる結末を知っている身からすると「なんて馬鹿な兄弟だ」ということになりますが、まあ、普通に考えればマクドナルド兄弟の感覚は分からなくもないという話。店舗数増やして手に余ってしまうぐらいなら、今ある店舗のサービスなり取り扱う商品の品質を最大限に高める方向で頑張ろうというのが常人の思考だと思うわけです。

実際、素人経営者が運営できる店舗数はせいぜい3~5店舗が限界だと言われていますしね。一店舗うまくいったからといって、ろくな戦略もなしに闇雲に店舗展開・FC展開できるほど世の中甘くないですね。ただ、このレイ・クロックという人物はそれをやってのけてしまったわけですが……。曰く「経営は生きるか死ぬかの戦争だ」ということで、そういう闘争心がなくては「経営者」という重責は負えないわけですね、僕もそう思います。

結局、兄弟が運営している彼らの牙城ともいえる一号店にレイは干渉しない代わりに、彼がマクドナルドの店舗をフランチャイズ展開する権利を獲得することで、双方とりあえずの折り合いを取る形に落ち着きます。

その結果、レイは水を得た魚のごとくガンガン新規店舗作りに没頭していきます。行きつけの会員クラブのお友達なんかも半ば強引に説得して新店舗用オーナーとして融資してもらったり。でも、すぐにマクドナルド兄弟がぶち当たった壁に彼自身も行く手を阻まれることになります。つまり、店舗数の増加によるハンバーガーの品質の低下や店舗の荒廃といった管理の不行き届きが発生していたわけです。店を作ることは出来ても、現場を仕切るだけのやる気あるFCオーナーはそう簡単に見つけることが出来なかったという話で、いつの時代も有能な人材の確保っていうのは難しいのだなあとしみじみさせられる場面となっています。

『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』:心折れそうな経営者に観てほしい

新規開拓に熱を出しているうちに、いつの間にか既存店は不良の溜まり場になっていた……、そんな光景を目の当たりにしたレイの鬼の形相から、凄まじい怒りが画面越しにビリビリ伝わってきますが、ただ、こういった苦境で簡単に心折れることなく、むしろ怒りを糧にしっかりと対策を見出すあたりにこの映画の醍醐味があるというか、レイ・クロックという人物の面白みを堪能できるわけです。

で、このまま書き続けると、ひたすらあらすじをなぞるだけの内容になってしまうので、いい加減やめようと思いますが(それだけ中身の濃い作品ということですけども)、このFC化に際して信頼できるオーナーをどのように確保するかという難題をクリアーすることになった突破口的なエピソードが面白く、目の付け所が違うなと感じました。

その後も有能なメンバーも迎え入れて、FCオーナーに対して店舗ごとリースするという不動産業的な側面を強めていき、さらには「マクドナルド」に関する全ての所有権を本来のファウンダーであるマクドナルド兄弟から奪い取ってしまうなど、経営者なら身を乗り出して鑑賞するであろう興味深い展開が詰まっているし、レイ・クロックという人の人生
事態がエンターテイメント性が強くハチャメチャで面白いです。ちなみに下記のリンクはマクドナルドのビジネスモデルを解説した内容で、映画を観る前の予備知識として読んでおくといいかも。

マクドナルドの強大帝国を作り上げているのはハンバーガー販売ビジネスだけではない

という感じで、「戦場」に例えられるほど苦しくて大変な社長業・経営業ですが、心折れてしまいそうなときは、この『ファウンダー』を観てレイ・クロックから闘志を充電させてもらったらいいじゃなでしょうか。原作の方は孫正義・柳井正の日本を代表する経営者二人のバイブルという帯の触れ込みで、著作のあとがきには二人の特別対談なんかも載っています。

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016)
THE FOUNDER
監督:ジョン・リー・ハンコック
上映時間:115分
製作国:アメリカ
公開情報:劇場公開(KADOKAWA)
初公開年月:2017/07/29
ジャンル:ドラマ/伝記
映倫:G
出演:マイケル・キートン、ニック・オファーマン、ジョン・キャロル・リンチ、リンダ・カーデリーニ、パトリック・ウィルソン、B・J・ノヴァク、ローラ・ダーン
英雄か。
怪物か。






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