『フライト』:アルコール依存症の機長のウソと転向

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『フライト』 デンゼル・ワシントン 映画 感想、批評 Flight-movie-2012

飛行機パニックモノと言えば日本だと『ハッピーフライト』といったコミカル仕立ての名作がありますけど、本作は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『フォレスト・ガンプ』で有名なロバート・ゼメキス監督による飛行機パニックもの……、かと思って鑑賞していたら実際に飛行機がフライトするのは映画の冒頭だけで、それ以降はヒューマン・ドラマ仕立×法廷(公聴会)モノな作品でした。でも初っ端の飛行シーンはかなり緊迫感のある航空事故回避シーン+胴体着陸で、パニック・アクション系の飛行機作品にはない日航ジャンボ機墜落事故の「これはだめかもわからんね」を思わせる絶望感があって力の入った作りになってます。ブラックボックスに「愛してる」の言葉を残せといった演出などね。(日航機の墜落はフィクションと引き合いに出して語ってはいけない類の事故であるかもしれないけど)



『フライト』 デンゼル・ワシントン 映画 感想、批評 Flight-movie-2012墜落して搭乗員の全滅を免れないと思われた飛行機事故を6人の死者を出すだけで済ませたウィトカー機長(デンゼル・ワシントン)が逆にヒーローとして連日マスコミに祭り上げられるようになるものの、実はアルコール依存症でフライト中も飲んでいたという事実が徐々に不都合な真実として彼を追い詰めることに。安全委員会に睨まれたウィトカー機長と航空会社は、弁護士ラング(ドン・チードル)をたてて事故後に行われた血液検査で出てしまったアルコールとコカイン摂取を示す検査報告書のもみ消しといった隠蔽工作をした上で公聴会に臨むことに(嘘ついたら偽証罪に問われる場でありますけどね)。しかしながら、そのような状況にあってもアルコールに依存している彼がそう簡単に断酒することができるはずもなくといった展開。


『フライト』 デンゼル・ワシントン 映画 感想、批評 Flight-movie-2012墜落事故後に入院先で知り合ったドラッグ&アルコールの依存で悩む女性のニコール(ケリー・ライリー)と恋に落ち、彼女の勧めでアルコール依存症者のための集団セラピーを受けたりするけど、ウィトカー機長は依存していることを自ら認めることすらできない始末。この辺は吾妻ひでおの『失踪日記2 アル中病棟』読んでみると、リアリティーというか辛さが分かるけど、本作のウィトカー機長も酒とドラッグを断つことができず、前妻ともそれが原因で離婚、せっかく恋仲になった新しいガールフレンドのニコールも彼の元を去ることに。

『フライト』 デンゼル・ワシントン 映画 感想、批評 Flight-movie-2012この辺からはネタバレになるけど、全編通して神の意志には逆らえないといった挿話が幾つか出てきて、最後の公聴会でも神の意志に抗うことはできずにといった結末を迎えます、要するにフライト中の飲酒を認めると。酒に関して周囲に嘘をつき自分もだまし続けてきたし、公聴会でもその嘘を貫き通すつもりでいたと思われるウィトカー機長だけど、弁護士による隠蔽工作の結果なのか機内で酒を飲んでいたのはCAのトリーナ(ナディーン・ヴェラスケス)ということになっていて、その嘘を肯定することは良心の呵責を感じたということなんでしょう。このトリーナって作品のド頭で機長とベッドインしていたCAですね(観直したから気づいたけど、これに気が付かないと彼の転向の説得力がなくなっちゃうな、笑)。恋人に罪を擦り付けるという嘘をつくことは神の前ではできなかったわけですね、これも事故後に知り合ったニコールとの出会いと別れがあったことで、やっと自分のことを素直に見つめられるようになった賜物ともいえるのかな。





フライト(2012)
FLIGHT
監督:ロバート・ゼメキス
出演:デンゼル・ワシントン、ドン・チードル、ケリー・ライリー、ジョン・グッドマン、ブルース・グリーンウッド、メリッサ・レオ、ブライアン・ジェラティ、タマラ・チュニー、ナディーン・ヴェラスケス、ジェームズ・バッジ・デール、ガーセル・ボヴェイ
上映時間:138分
製作国:アメリカ
公開情報:劇場公開(パラマウント)
初公開年月:2013/03/01
ジャンル:ドラマ/ミステリー/サスペンス
映倫:PG12
彼は英雄(ヒーロー)か犯罪者か

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