『KG カラテガール』:映画を放棄した特異な一本

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KG カラテガール 武田梨奈 木村好克監督

可憐な女子校生が悪い大人たちを空手でもってバッタバッタと倒してしまう『ハイキックガール』の衝撃から二年、武田梨奈主演の空手映画第二弾『KG カラテガール』が満を持して封切(2011年)。前作では脚本を担当した木村好克が監督へ。今回もノーワイヤー、ノースタント、ノーCGのノーノー尽くしを誇る肉体エンタテイメントで、女子校生によるフルコン空手アクションムービーという新境地を開拓し続けるのかと思いきや、ストーリー面でのスケールダウンが顕著、アクションも何かがおかしい、いや前作に輪を掛けておかしい、もう映画である必然すら感じられないほどおかしいのです!

ストーリー
世界最強空手「紅空手」の後継者である紅達也(中達也)は、テロリスト養成組織の襲撃に合い、後継者の証である黒帯と娘を奪われた末に息絶える。妹と父親を失った紅彩夏(武田梨奈)は、過去を引きずりながらも素性を隠しながら平穏な高校生活を送っていた。そんな彼女だったが、ある日、空手を使って暴漢を倒してしまう。その姿を映した動画がネットに出回ってしまったことで組織に正体がばれてしまい……。

せっかく観た映画なんでけなしたくないし、良いところを見つける淀川長治流の鑑賞技法に倣いたいところなんだけど、こりゃダメだw。ガチ批判するような部類の作品ではないのは分かってるけど、あまりに酷くて思わずダメ出ししたくなります。敵のキャスト層が薄いとか、演技が棒過ぎるとか色々あるけど、個人的にショッキングだったのは①冒頭シーンにおける「映画」の放棄、②アクションシーンでの遠慮、という二大ダメ要素でした。

冒頭シーンの浮きっぷりにすべて持っていかれる
物語を描くことを放棄している雰囲気すら漂う作品冒頭の作りは実に強烈、ついでに映画であることも放棄している印象。「紅空手」が最強であることを説く映像に続いて、紅達也が襲撃されるシーンで始まるわけですが、尺の関係なのか父親の死は背景の話として「連ドラの冒頭によくある前回のダイジェスト」風に見せた上に、軽妙なナレーションまで被さっていて、映画的にはご法度というか禁じ手を犯しています。物語を妙なナレーションで解説されても……、という興醒め必至、始まって早々ものすごい勢いで作品から突き放されます。突き放されたまま、しばらく作品世界に戻れないほどの威力です。

フルコン空手のようでいて組手
二大ダメ巨頭のもう一角を成すアクションシーンですが、一撃目はフルコンタクトっぽいんだけど、その後は組手という流れの繰り返し。「実闘!カラテアクション」の看板に偽りあり、そんな虚無感に苛まれること間違いなしの紅姉妹による空手演舞は別の意味でビックリです、「空手の教材ビデオ」とかどっかに書かれてたけど、まさにその通りw。『ハイキックガール』では少なくとも強烈な踵落としや蹴りを入れられたりしていた武田梨奈も(同じ映像をスローで見せる手法には度肝を抜かれましたけどw)、今では立派な女優扱いとなってしまったのか、あまり痛めつけられることもなく、無難に相手を倒してしまう印象。いくらなんでもキャストに遠慮し過ぎ、それならむしろノースタントとか言わずに殴られ役を用意しておくべきだったんじゃないかな。

色物にしたくない葛藤
もうひとつ重要なダメ要素で前作でも思ったことだけど、「女子校生+空手」なのに色物にしたくないという硬派な思いが、この作品に宿るモヤモヤ感の元凶となっていて、制作陣の鼻の下を伸ばしきれない葛藤みたいなものが随所に感じられるわけです、ハイキックしてもスパッツ履いているとか、そもそもスカートの丈が微妙に長いとか。それならどこに「女子校生」を使う必要があるのか、どうして制服を着て闘うのか……、と批判しだしたらキリがないですが、まあ硬派と軟派の間を揺れ動く制作陣の葛藤というか歪みを楽しむのもまた一興かと。

まとめ
ネットにあるレビューを読むと、結構ボロクソ書かれていてイチイチ笑えるんだけど、ボロクソ批判の内容が多種多様で、ダメなりに語り甲斐のある特異な一本であることは間違いないと思います。

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KG カラテガール(2010)
監督: 木村好克
上映時間 91分
製作国 日本
公開情報 劇場公開(CJエンターテインメントジャパン=ティ・ジョイ)
初公開年月 2011/02/05
ジャンル アクション/格闘技
映倫 G
制服の下に、秘拳が眠る。

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