『ハイスコアガール』2巻:青春を謳歌出来なかった人へ

押切蓮介『ハイスコアガール』2巻

「2013年版『このマンガがすごい!』オトコ編で2位を獲得」、という快挙でなんとも目出度いスな。やっぱりオッサン世代の圧倒的な支持があったんだろうか、「懐ゲー+ラブコメ」の破壊力凄まじ。描かれているゲームネタがほとんど分かる世代にとってはモラトリアム指数もこの上なくハイスコアな作品であります。でも、ハルオみたいにゲーム三昧な中学時代を送っていたのは一緒であっても女子の影はなかった、という男子の方が多かったんじゃないかと思うけど(中3のときゲーセンで彼女のおっぱい揉みながらゲームに興じる神すぎる友人もいましたが……、そういうのは例外だと思われ)。そんなガキっぽくて初心だった頃の欠落した女子成分を脳内補完させてくれるのが、この漫画の良さだったりするんじゃなかと。ゲームの思い出はいっぱいあるけど、女子とは話した記憶すら無い!っていう「青春を謳歌出来なかった人」のための願望充足的な部分に全オッサンが涙するわけですな、ありがたや~。

で、今回は中学2年生となった主人公である矢口ハルオ君の前に登場するのは、これまた愛らしくて可愛い日高小春ちゃん。ハルオのことが気になるがために、さして好きでもないゲーム遊びに付き合ったりゲーム専門誌にまで手を延ばしたりしてみちゃう純情一途な女の子。彼女の実家の店先にNeoGeoの筺体が置かれていることから、ハルオが毎日通ってくる夢のような展開になり胸がときめくんだけど、まったく自分なんか眼中にないことをいずれ悟ることに。なんとも切ないけど、男と言えどもまだ中学生のハルオにとって、複雑な乙女心を理解できるはずもなく……、といった連れない展開を見せるのがもどかしいスな。まあ、中学生じゃあ情操面で同年代の女子にかなうはずもないわけで、この辺は読者としてモヤモヤさせられっぱなしだけど仕方がない。

そして、1巻で登場した才色兼備のお嬢様かつ「豪指のハルオ」(自称)をも唸らすスト2の強者である大野晶の帰国。因縁の対決がついに見られることに!という雰囲気を漂わせて終わりますが、そもそもこのコともそれなりの色恋沙汰があったわけで、これまた「ゲームバカ男子×可愛い二人の女子」による複雑かつ波乱含みの色模様が3巻で待ち受けている予感。自分で書きながらドキドキしてきたので、さっそく購入済みの3巻読みます。



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