驚異的な努力家プロ・ゲーマー梅原大吾『勝ち続ける意志力』

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Daigo "The Beast" Umehara takes the EVO2k9 Street Fighter IV crown

 日本初となるプロゲーマー、梅原大吾の仕事術です。売れ行き好調のようでAmazonでも一時的に売り切れになってましたけど、なんとか入手。「勝つ」のではなく「勝ち続けること」に重きを置く彼の仕事の流儀とは?というテーマ立てで、かなり読み易い自己啓発系の仕上がりになっています。格ゲーのファンならずとも、どの分野の人間が読んでも得るモノがある、というかウメハラって基本的に超努力型人間でストイックなので、読んでしばらくは「自分も頑張ろう」という気には絶対になりますね、

梅原大吾(wikipedia)




 自伝スタイルの本書は、幼少時代からの生い立ちとゲームとの出会い、その後の驚異的な練習量と大会の数々、そしてゲーム挫折期の雀荘通いや介護士として働いた話などが順を追って書かれていて、その要所要所に彼の精神論なり考え方が披露されています。ゲームプレイの凄さに関しては冒頭で「レッツ・ゴー・ジャスティン」で有名な例の「背水の逆転劇」が紹介されていて、途中でもゲームの勝つためのテクニック的な話も出てきますが、基本的にはウメハラの「努力の仕方」に関する考察とその変遷が読みどころ。

Justin Wong vs. Daigo Umehara(逆転シーンは2:36から)


 相手が10時間なら自分は30時間、相手が100時間なら自分は300時間練習してやるという意気込みで、正月を除く363日を格ゲーの鍛錬に注いできた努力家っぷりに「やっぱり何事も究める人は違う」と思わせる驚嘆があります。しかし、本書も後半に差し掛かると「考える」ことが好きなウメハラは「努力」に対する考察も深めて「自分を痛める努力はしてはいけない」ことに気づきます。大会4連覇に向け寝る間も惜しんでの猛練習の末にベスト8位どまりで燃え尽きるという経験をすることによって、彼は一日15時間練習して得る物が無いより、3時間の練習で小さな発見を繰り返し得ていく方が良いと考えるようになります。「量より質」という内容で、この辺は読んでいて心地よく感化され始める部分なので気持ちも高まってきますが、気を付けないといけないのは、この質を追求するスタイルは恐らくウメハラ級の努力家が猛練習をした末に辿り着いた結論なので、「じゃあ自分も一日3時間でプロじゃん」とは行かない点でしょう。(でも、毎日何かを3時間続けること自体も十分賞賛に値する努力ですけど)

 さらに読み進めると、彼の幸福論にまで話が及びますが、これがまた面白くて説得力があります。要するにゲームの大会で勝つことの喜び(負けたときの落ち込みも)をあまり重要視していなくて、大事なのは日々の練習に60%ぐらいの喜びを感じながら続けること、そこが「勝ち続ける」ためには肝心ということです。ゲームの練習に喜びがあって、大会本位でないから思い切ったプレイが出来て勝てるという、言ってしまえば「好きこそものの上手なれ」ですけど、実例も伴っているから話に厚みがあります。プロフェッショナルと言われる人には多いと思いますが、やはり結果よりも「その過程」こそが楽しいという状態でないと第一線を走り続けることは難しいのでしょうね。ワナビーとしてプロの姿のみに憧れるといった本末転倒な状態への批判も想起させられる話ですが、とにかくウメハラはゲーム練習そのものに喜びを感じてプロとして結果を出すという試みを意識して実践している思考的な努力家とも言えるのでしょう。




勝ち続ける意志力: 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」 (小学館101新書)

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